サクランボ文花瓶

異なる色のガラス粉末を帯状に溶かし込んだ素地にヴィトリフィカシオンを施し、サクランボの実、花梗、葉を酸化腐食彫で浅くレリーフ状に彫琢した花瓶。葉の部分は手彫りのグラヴュールで葉脈まで精緻に描かれている。表面に溶着された赤いサクランボの実と舞い落ちる葉が空間の広がりを演出する、ドームの自然主義が色濃く表現された傑作。基部の気泡は製造当時のもの。残存数が極めて少ない貴重な作例。

サイズ(㎝):高さ26.7 胴部径11.0
サイン:底部に陰刻で《Daum/Nancy/☨》
制作年:1910年~1920年代の意匠(文献:Daum Collection du musée des Beaux-Arts de Nancy,RMN,2000.)
技法:ヴィトリフィカシオン(ガラス粉末溶着)、アシッド(酸化腐蝕彫)、カボション(ガラス小塊溶着技法)、グラヴュール(線刻)