帯状ガラスを封入した小瓶

高さ9.8cm
過リン酸石灰を使って不透明にしたクリスタル・ガラス素地に黒色ガラスを帯状に封入。型吹成形。表面にグラヴュールで魚類などの輪郭を彫琢。
1889年頃の意匠。
サイン:底部にポイント彫りで《E. Gallé / Nancy》番号の記載《No 946》ドイツ、マインツ工芸美術館、パリ装飾美術館に類似作例が所蔵されている。

この小瓶は、1889年パリ万博の審査委員会に宛てた出展作品解説のなかで、ガレが次のように説明を加えている一連の作品である。「半透明のガラス塊に着色した帯状のものを溶け込ませることで得られる、おもしろい効果について着目していただきたいと思います。52番の二つの花瓶は過リン酸石灰ですこし不透明にしたクリスタルで出来ており、ガラス工が細工をする前に黒色の帯状ガラスを混入させています。そこには限りなく様々な模様が現れます。そこで創造力を少し働かせて表面に軽いタッチで素描の線をひき、それらの模様を目立たせるのです。黒色の作品の場合、マンガンをあまり入れ過ぎないように注意しなければなりません。過リン酸石灰による乳白色を帯びた青い色合いを、ありふれた色合いにしてしまうからです。」 ( 訳山根郁信)
(『芸術著作集Ecrits pour l’art』p.341.)