蜻蛉と薊の装飾がある金属フレームが付いた蜂文花瓶

高さ15.5cm 胴部径9.4cm
1893-1897年ごろの意匠
サイン:陽刻で《Cristallerie / d’Emile Gallé / Nancy》
底部の金属に刻印《G.R. SANDOZ》

金属製のフレーム部分はシャルル・ギュスターヴ=ロジェ・サンドCharles Gustave-Roger Sandoz(1867-1942)の工房で制作されたもの。複数の蜂と蜂の巣がアシッド(酸化腐蝕彫)でガラス部分に彫琢されている。折り返された口縁部は蜂蜜を想起させる。1頭の蜻蛉と薊を象った装飾フレームは、胴部のガラス地に開けられた小さな穴に臍(ほぞ)を差し込んで固定するように細工されている。材質は恐らくヴェルメイユvermeil[銀に金鍍金を施した金属]と思われる。金属フレーム自体を制作したのはサンドだが、デザインは恐らくエミール・ガレによるものだろう。

シャルル・ギュスターヴ=ロジェ・サンドは、パリの中心地パレ・ロワイヤル147-148番に店舗を構えていた時計宝飾商のジャック=ギュスターヴ・サンドJacques- Gustave Sandoz(1836 -1891) の息子で、父が1891年に亡くなった後、その経営を引き継ぎ、パレ・ロワイヤルの同所で1894年まで営業していた。翌1895年にロワイヤル通10番に店舗を移し、そこで1924年まで営業を続けている。1889年に父ジャック=ギュスターヴ・サンドらによって創設された民間組織である芸術・産業助成協会Sociétéd’encouragement à l’a r t et à l’industr ie や国外博覧会フランス委員会Comité français desexpositions à l’étrangerの幹事長も務めている。当時の著名美術批評家ヴィクトール・シャンピエとの共著でパレ・ロワイヤルに関する著作もある。

(Victor Cha mpier & G .-Roger Sa ndoz , Le Palais-Royal d’après des documents inédits( 1629-1900), Tome Second, Depuis la révolution jusqu’ à n o s jo u r s p a r G . – R o ge r S a n d o z , Pa r i s Société de P ropagat ion des Liv res d’A r t , 117, Boulevard Saint-Germain, 1900.)

制作年代に関する参考文献:
Émile Gallé et le verre La collection du Musée de l’ École de Nancy, Somog y Éditions d’A r t, Musée de l’ École de Nancy, 2004, cat.no.177, p.123. (1893年ごろの作とされる類似作品が掲載。)