カエデ文花瓶

高さ59.7cm
サイン:底部カエデの葉のなかに陽刻で《Emile Gallé en sa Cristallerie / à Nancy》底部端に陰刻で《Modèle et décor déposés》被せガラス、アシッド(酸化腐蝕彫)、グラヴュールサイン:底部にレリーフ状に彫琢した

この作品そのものが制作された年代を特定するのは困難だが、カエデの意匠がエミール・ガレによって最初に創られた年は判っている。ドイツの文献(Cf. 『デュッセルドルフ美術館所蔵 魅惑のガラス展 アール・ヌーヴォー、アール・デコの精華』1991年、37頁)によれば、カエデの装飾意匠は1895年5月14日付けでナンシー労働審判所に意匠登録が行われている。(当該文献には「3月14日」とあるが、「5月」の誤り。)この意匠登録用の素描帳は1982年10月24日のサザビーズ、モンテ・カルロの競売に出され、現在米国コーニング・ガラス美術館が所蔵していると同文献にある。サザビーズの当該図録には素描の画像は掲載されていない。器形自体はガレの没後1920年代にも継続して使われていたデザインである。興味深い事実を付け加えておくと、ガレは1889年パリ万博の際、会場に設えられた日本庭園からハウチワカエデ(カエデ科)を7~8フランで購入している。