ミラベル文卓上ランプ

高さ48.0cm 上部シェード長径15.5cm
被せガラス、アシッド(酸化腐蝕彫)グラヴュール、マルトレ(槌目模様)、鍛鉄製のフレーム。
サイン:上部のシェード下方に陰刻で《Daum /‡/ Nancy》
脚台部のシェード下方に陰刻でモノグラムとロレーヌ十字《D N/‡》

多色のガラス粉末を素地に混入させ、炉に戻して馴染ませることで斑紋模様を作り出したものだが、発色は火の入り具合で微妙に変化するため、まったく同じ素地の作品であっても、偶然の所作により個体差が生じる。本作品は遺例中もっとも美しい発色と言っていい出来栄えとなっている。脚台部下方の様式化された花弁と渦巻きの装飾はアシッド(酸化腐蝕彫)によるものだが、その他の部分はルー(円盤彫刻)による手彫りのグラヴュールで装飾が施されており、非常に手間隙をかけて完成されている。脚台のフォルムや上部の傘とのバランスなど、きわめて完成度の高いランプ作品と言える。鍛鉄製の金具は当初からのもので、恐らくルイ・マジョレルの工房で制作されたものである。ドーム工房のランプ類の金具は例外なく外注されており、その殆どがマジョレルに委託されていた。北澤美術館に同一作例が所蔵されている。